【AIに勝つ武器「読解力」】
毎週月曜は朝活ネットワーク。
今日の進行役は名古屋駅で
「頭が良くなる国語塾」を主宰している
黒川葉子さん。
サラリーマン時代に営業成績がよかった
黒川さんが、
「なぜ自分は営業ができるのか?」
と考えたときに気づいたのが
読解力の高さだったと言います。
そんな黒川さんから、
今の時代だからこそ大切さが増している
読解力について教えてもらいました。
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◉AIが仕事を奪う?
・シンギュラリティ(AIが人間の能力を
超える瞬間)が、近づいている?
・「人間の知能と同じ構造の人工知能」は
まだ存在しない
今私たちが「AI」と呼んでいるのは、
本当のAIを作るための部品に過ぎない
・本当のAIを作るには、人間の知的活動の全てを
計算式で表せなければいけない
◉東ロボくんプロジェクト
・2011年スタートのプロジェクト
・「ロボットは東大に入れるか?」を実験
・目的:AI活躍時代に、人間が仕事を
奪われないために、人間はどんな能力を
身につけるべきかを考えること
・東ロボくん:3年で偏差値が45から57に
・得意科目は数学(偏差値76.2)と
世界史(偏差値61.8)
⇒計算・検索は得意
・苦手科目は英語(偏差値50.5)と
国語(偏差値49.7)
⇒読解力はAIにはない
◉読解力とは何か?
・子供が遅く帰ってきたときに、
お母さんが「あんた、どこいってたの!?』
「何時だと思ってるの!?」
⇒場所と時間を聞いているのではなく、
「心配しているんだよ」という気持ちを
表現している
⇒AIには理解できない
・AI的理解=機械的・辞書的理解であり、
文脈的理解はまだできない
・AIには「意味」が理解できないし、
今のところ教えることもできない
⇒今後、人間が身につけるべき能力
◉なぜ読解力不足になったのか?
・社会の変化の影響:
文字を読む必要が減った
おしゃれな家には文字がない
ゲーム・動画など楽で楽しいことが減った
紙の書物と電子媒体の文字の定着度の違い
◉読解力を身につけるには?
・「ちゃんと読む」習慣をつける
⇒筆者が何を伝えたいかに向き合う
(要約・あらすじを考える)
⇒わかると楽しくなる
・文章は「大切なこと」を人に
伝えるために書かれる
読解とはそれを受け取ること
・試験の点を取ることを目的とした
読解力教育は、点を取ることが
上手になるだけで、本当の読解力は
身につかないかもしれない
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僕の気づきは…
・AIは正解がすでに見つかっているものを
どこかから探してくるのは得意
⇒正解のないことを考えるのが
人間がAIに負けない領域
・受け手の問題もあるけど、
話し手の問題もある気がする
⇒伝わりやすい言葉で相手に伝えているか?
・「ヤバイ」の一言でなんでも伝わるのも
ある意味すごいことだと思う
⇒世代間でだけ伝わるコミュニケーションは
伝導効率はある意味高い
・読解力以前に集中力・注意力や
質問を理解してきちんと答えようという態度が
不足している可能性がある
⇒面倒なことから逃げようとする態度が
根本的な問題ではないか
といったところでした。
大学時代、小難しい哲学書を
何週間もかけて読み解いた経験から
僕は要約とか言語化がすごく得意に
なったと思います。
しかし、そういう時間のかかる
読解経験って、なかなかできないですよね。
これからは、新しい知識がどんどん出てきて
知らないことを自分で理解して
仕事をしないといけない時代だと思います。
子供だけでなく大人も、
自分の読解力に少し危機感を感じても
よいのではないでしょうか。
黒川さん、ためになるお話を
ありがとうございました。
コクリエ国語教室