ニホンはエンタメ不足?
1/22(月)の日経MJ より
〈ニホンはエンタメ不足?〉
日本人からすると違和感がある、
「型破りな和食」が外国人の
お客さんにヒットしているようです。
和牛の天ぷら、花火を使った演出、
焼売と天ぷらと塩麹鍋が
一度に作れる体験料理教室。
「それって日本料理?」
と思ってしまう、
ちょっとB級な感じ。
でも、外国人旅行者の全員が
「本格的で伝統的な日本食を食べたい!」
と思っているとも限らない。
***
そもそも日本に旅行に来る動機や、
日本文化への理解度も色々なので、
エンタメ重視のおもてなしスタイルが
あっても良いですよね。
日本はナイトレジャーが少ない、
なんて意見も多いみたいで、
国会議員が外国人旅行者を意識して
「ナイトタイムエコノミー(夜の観光)」
の振興に力を入れるなんてニュースも
最近出てましたからね。
外国人旅行者向けのエンタメサービスは
まだまだ伸び代があるようです。
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ただ危ないのは、
「じゃあこんな見たこともない
和食はどうだ!?」と
手当たり次第に型破りを作っても、
他のお店との差別化ができない。
そこはやはり、ある程度想定顧客を
国別に絞ってみたり、
旅行の目的別に絞ってみたりしないと、
軸がブレブレになってしまう。
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例えば、高い食事を食べることに
ステータスを感じる中国人を
対象にするとします。
でも彼らの本当のニーズは、
「ステータス感を出したい」
ではなく、
「こんな特別な体験が出来る
自分のことを見てほしい」
なのかも知れない。
だったら、高い料理を用意するだけじゃなく、
その様子を綺麗に撮影してもらえたり、
撮った写真を日本の漫画風にその場で
加工してくれるサービスがあったらどうか。
ステータス感という言葉にとらわれず、
「どんな感情を味わいたいのか?」
をもっと理解できれば、
ニーズの満たし方はもっともっと
広がる気がする。
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ちなみに、和牛の天ぷらを出している
ゴリップという会社は
「食を企め」という言葉を
コーポレートメッセージに
しているみたいですね。
ここからは、
「なぜその店がそれをするのか」
という、必然性みたいなものが、
問われてくると思います。
創業者の個人的なストーリーや、
シェフの個人的な感性など、
唯一無二の要素を生かしながら、
型破りな日本食を提供する。
それを間違っても、日本人が
ディスって潰さないようにしないと
いけないですね。
同調圧力が強い国ですから。