SNOW FLAKE BLOG - マーケティングとブックレビュー -

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伝統産業に惹かれる若者が増えている理由は?それを生かしたマーケティングは?

5月7日(月)の日経MJより。

伝統産業や地場産業に関心を持つ

若者が増えている、という記事がありました。

 

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この記事の目次

 

1.記事内容の要約


(数字データ)

20~30代の男女の傾向として

地場産業や伝統産業に

関わりを持ちたい人は55.5%

地場産業や伝統産業を

「地域の生活や伝統文化に

触れられる」と捉える人が24.2%

・ここ2~3年で最も高額な製品を

購入した場所は「生産地」が53.1%

(生産者のウェブサイト含む)

 


(分析ポイント)

地場産業や伝統産業に

関心が高いのは20~30代の男女

・「持つことで生活に深みが出る」

「豊かな気持ちになれる」など

精神的な価値に魅力を感じる

地場産業や伝統産業に関心が

高い人は「国際芸術祭」などの

地域イベントにも関心が高い

 

 

2.背景を考える


僕としては、

この動きは20~30代という

年齢にあまり執着する必要は

ないと思っています。

新しい消費スタイルを若者が作り、

それがスタンダードになっていくのは

いつの世も同じだからです。

若者の方が、社会の変化への

感受性も適応性も高いから。

 


モノは飽和しているし、

労働時間は徐々に少なくなり、

1つのものをじっくり購入して

満足感を得たいというマインドも

広がりつつあると思います。

 


多くのものが、

「いつでもどこでも同じものが買える」

ようになる中で、

伝統産業の産品を、現地で、

丁寧に説明を受けたり、

実際に自分で作ってみたりしながら、

愛着を深めて購入することを

楽しむのは、単なる購買以上の

感情的な充足感が得られるので、

購買単価も高くなると思います。

 

 

3.マーケティングの提案


つまり、商品価格に現地での体験による

提供価値も転嫁できるということです。

だから、商品開発をする段階から、

現地でどんな体験を提供するかも

設計に入れておくことが大切なのでは

ないでしょうか。

(現地でしか買えないという

販路の絞り込みもセットだと思いますが)

 

例えば陶磁製品。

大量に生産できないものを、

生産地限定販売とします。

さらに、購入条件として、

「製作体験や工場見学など

実際のものづくりに触れた人にのみ

販売します」という条件をつけます。

販売価格は、製作体験や工場見学の

料金をあらかじめ商品価格に包含し、

製作体験や工場見学自体は

無料でできるようにします。

 

狙いとしては、

 

1.製作体験や工場見学の

ハードルを下げて体験者を増やし、

伝統産業に対する知識や

親近感を持つ人を増やす。

 

2.大量生産できない手仕事の商品は

長く愛着を持って使って欲しい。

であれば、その商品に対する

知識や親近感をあらかじめ高めておいて、

本当にその商品を愛してくれる人にだけ

購入を促すことができる。

 

3.「生産地限定」「体験者限定」

という購入条件をつけることで、

商品の特別感が高まり、

従来よりも高い単価での販売が

可能になる。

 

というところです。

この戦略は、一般小売業を通じて

市場に商品を提供しているような、

知名度のあるブランドや、

少量生産しか出来ないので

販路を絞り込んでおり、

それゆえに商品そのものに

希少性が感じられるブランドに

有効ではないかと思います。

わかりやすく言えば、

ノリタケはいけるけど

ニトリの食器には無理だと思います。

 

いかがでしたでしょうか?

世の中の多くの人が関心を

寄せつつあるというトレンドを生かせば

高い価値のある商品を

より高い単価で販売することが

できると思います。

どうしたらもっとお客様を喜ばせて

その分の売上をアップできるのかを

考えてみたいですね。

 


4.告知


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開催しています。

 


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