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【元々の強みを、競合に追い越されたらどうする?】カレールーとレトルトカレーの購入額変化から考える、新しい価値の作り方

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3/30の日経MJで、
僕が注目したのはこの記事です。
レトルトカレーの購入額が
カレールーを上回った、と。

なぜこうなったかという原因は、
僕の仮説としては
・生活者の時短(手軽)ニーズが増えた
レトルトカレーの種類の充実や味の向上
・家庭の少人数化で、個食が増えた
といったところ。

もともとカレールーは、
日本の家庭にはなかったカレーという料理を
「手軽に作れる」という価値の提供に始まり、
その次に「おいしさ」「本格派の味」を
差別化要素として、各社追求した訳です。

しかし、手軽さだけ取れば
レトルトカレーの方が強い。
それに加えて、レトルトカレー勢力も
商品のバリエーションや特徴を増やし、
カレールーより割高になりがちな価格に
十分遜色ないクオリティを実現することで、
カレールーの「手軽さ」「本格的な味」
という強みを切り崩してきた訳ですね。

じゃあ、これからカレールー勢力は
どう戦うべきでしょう?

カレールーはその商品特性として、
「家で調理しなければならない」
訳ですが、
それは捉え方を変えると
「各家庭でアレンジしやすい」
ということになります。

手軽さでレトルトカレーに勝てないなら、
「アレンジの楽しさ」を訴えてみては
どうでしょう?

では、自宅でカレーをアレンジして
食べたいと思うのは、どんな人でしょう?
おそらく、都会で一人暮らししてる
若者ではない。
子供のいるファミリー層が、
子供と一緒に料理を楽しんで
思い出を作りたいとか、
交友関係の広い人でホームパーティとか
開いちゃうような人が、
オリジナルカレーで人をもてなしたいとか。
他にもいると思うけど、
僕の中ではこんなイメージです。

じゃあ、そういう人たちに向けて
売る時に、どんな工夫ができるのか。
例えばレシピブックを作ってみるとか、
ネット上でオリジナルレシピを募集して
コンテストをするとか。
ホームパーティ向けレシピとか、
バーベキュー向けレシピみたいな
シチュエーションごとの楽しみ方を提案したり。
他にもアイデアは広がると思います。

元々の強みが競合に抜かされても、
その商品やサービスがもともと持っている
特徴を生かした戦略で、
新しい価値を生むことが出来る。
そんなことを、この記事を読みながら
考えていました。